東京学芸大学の試験に落ちて、もう勉強する気がない僕は、後期試験ではセンター試験の点数だけで申込みができるという理由で神戸商科大学を選んだ(もう東京に住むということもどうでもよくなっていた)。
神戸商科大学を選んだ理由はもうひとつあり、バンドメンバーを探していた高校時代に一度だけ会った大学生のドラマーが通っていたのが神戸商大だった。それで名前をなんとなく記憶していて、調べてみると後期試験を受けなくても申し込める、じゃあ申し込もう、そんなノリだった気がする。前期試験に落ちた僕は、大学生になれるならどこでもいいぐらいの気持ちだったのかもしれない。
ひとつ思い出したので追記しておきたい。関西学院大学の英文学部にも合格していた。これもセンター試験の点数だけで申し込んだのだが、なぜ英文学部にしたのかというと、高3の夏から通い始めた英語塾で、英語と英文法をたたき込んでもらったからだ。その英語塾では、高校生に向けては英語のみ、中学生に向けては国語、数学、理科、社会、英語と教えていて、大学時代には中学数学と理科を教える塾講師のアルバイトもさせて頂いた。自分が大学生になれたのはその英語塾の塾長のおかげだ。また、大学時代にTOEICやTOEFLを受けたが、そういった試験で出てくる英文法はすべてその英語塾で学んだものばかりだった(おかげで交換留学生にも選ばれた)。本当に感謝しています。英語が得意になっていたので、神戸商科大学でも経済学科、経営学科などがあるうちから選んだのは国際商学科だった。
追記2。高1のとき、Tさんというクラスメートを好きになった。美人だった。中学時代に2年かけて2秒で振られた反省があったのかもしれない。早く告白するべきだと思ったのだろう。でもそもそも、どうやって告白すればいいのかわからない。今思うと、告白という手段しか知らない時点で負け戦確定だと思う。でも当時の未熟な僕にそんなことはわからない。電話をかけようと思った。当時はまだ携帯電話を持っている子も少ない頃だったけど、なぜか彼女の電話番号を知っていた。なぜなんだろう。たぶん、固定電話にかけたのだと思う。電話で告白した。そのときに返事はもらえなかった。次の日、下校時間になって自転車置き場に向かっている途中に、後ろから彼女が追いかけてきた。期待して振り返った僕の耳に聞こえたのは、「昨日の話、考えられへんから」という言葉だった。考えられないことをして大変申し訳ないと、20年後の僕からも謝りたい。彼女は今どうしているんだろう。