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USCPA試験の勉強法 (2)科目別

前回は全科目に共通するUSCPA試験の勉強法をお伝えしました。

今回は各科目ごとに私が実際に行った勉強法をご紹介します。

(私はアビタスのeラーニングで合格しましたので、今回の内容もその経験が前提となっております)

科目別の勉強法

1.AUD (Auditing and Attestation)

AUDはテキストは2冊だけ、MC問題数なども他の科目より比較的少ないです(FARとREGはテキストが4冊あり、MC問題数もAUDの2倍近くありました)。ただ、だからと言って簡単な科目ではありません。

未経験者にとって監査という手続きがイメージしづらいのもありますし、そもそも単純に試験問題に出てくる英語が難しいと感じました(最初の科目はみんなそう感じるものなのかもしれませんが)。

その中でもなかなか覚えられなかったのは監査意見の種類です。

Unmodified Opinionにも公開会社と非公開会社に対するものがそれぞれあり、それにEmphasis-of-Matter Paragraphが付いたりOther-Matter Paragraphがいくつかの状況に応じて付いたり付かなかったりします。さらにQualified OpinionやAdverse Opinionもいろんな状況で出されます。

当然ですが、このように監査意見の種類がちがうと監査報告書の記載も異なります。そこを問う問題がけっこうあり、苦手でした。

そこで試験本番の1週間くらい前、これらの監査意見を毎日声に出して読んでみました。また一度だけWordにすべて打ち込んでみました。

そうすると頭の中でそれぞれの監査意見のタイトルと記載内容が整理され、問題に自信を持って解答できるようになりました。

2.REG (Regulation)

こちらはアメリカの民法、商法や税法などを勉強する科目です。

日本のこれらの法律を学んだことがあればまだ取り掛かりやすいのですが、やはり学び始めたころはイメージしにくい部分がありました。

そこで最初は、以下の3冊の本をざっくりと読んでみました。

はじめてのアメリカ法 補訂版 – Amazon.co.jp

ハンドブック アメリカ・ビジネス法 – Amazon.co.jp

2015年改訂版 日本人・日系企業のためのアメリカ税金ハンドブック – Amazon.co.jp

どれもUSCPAの勉強のために書かれた書籍ではありませんが、勉強を始める前に概要を把握するのに役立ちました。

3.BEC (Business Environment and Concepts)

BECの特徴はWC問題、Writing Communicationがあることです。つまり筆記です。

英語でActivity Based Costing(活動原価計算)について述べよと言われて書けますでしょうか。Segregation of duties(職務の分離)についてはどうでしょう。

どちらも試験本番で私に出題された問題です。

そしてどちらもベタな問題、つまりよく出題される問題のようです。私もアビタスのWC専用テキストで準備していましたので、それほど苦労せずに書けました。

勉強方法ですが、まず、この専用テキストにあるWC例題の解答30問と巻末の論点集(よく出る問題の解答例を短い文章でまとめたもの)約40問、合計80ページの英文をすべて暗記します。

・・・というのは冗談ですが、暗記とまでは言わなくとも、繰り返し声に出して読んだり書いたり、Wordに打ち込んだりするなどして、出題されたときに何を書けばよいのかがなんとなく思い出せるような状態にしておきます。

完璧に暗記できれば理想ですがなかなかそこまでの時間もないので、おおよその内容を思い出せるようにしておいて、あとは自分の実力と運の良さ(よくわかる問題が出てくれるはず!)を信じて本番で勝負!

私の場合はそんな感じでした。本番は内容を思い出しながらその場で作文してそこそこ満足できる文章が書けました。

4.FAR (Financial Accounting and Reporting)

FARに関しては特別な勉強法というのはありませんでした。テキストも問題数も多いので、とにかく地道に毎日たくさん勉強する。すきま時間を無駄にしない。

FARの特徴としては、やはり計算問題が多いことです。なので電卓を使いづらい通勤中のスマートフォンでの勉強はやりづらい。

ただ問題としては比較的簡単なもの(少なくとも日本語であれば簡単に解けるはずのもの)が多いですし、私にとってFARは最後の科目でしたが、ここまで来ると最初の頃により自分の英語力(読む力)が相当上がっています。そのため問題を読んで理解することについて、最初の頃ほど苦労はしません。

と、言いつつ政府・NPO会計の部分はやはり苦労をしましたが、「アメリカの州政府会計を学ぶ機会もたぶんこれが最後だろうから」と思って勉強しました。実際の試験でも出題割合はけっこう多かったと感じています。

まとめ

以上簡単ですが、USCPA試験の科目ごとの勉強法について私が実際に行ったものをまとめてみました。

振り返って思い出すと、私の場合はBECのファイナンスとFARの政府・NPO会計がいちばん苦手というか、MC問題の正答率が低かったです。

ただ弱点を把握できていれば試験直前に集中して勉強することで対応できるので、自分の弱点を試験までに把握することが大事かもしれませんね。

これから受験される方は、忙しい中で時間の確保も難しく大変なこともあるかもしれませんが、ぜひ最後までがんばってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の投稿者:

山本健介 1983年兵庫県加古川市生まれ。現在は大阪市城東区で税理士事務所を開業しています。税理士業界で10年以上、中小企業から上場企業まで会計・税務のお手伝いをしてきました。国際資格の専門校アビタス非常勤講師(USCPAコース担当)。米国公認会計士。お笑い好き。サッカー日本代表を応援しています。中国語勉強中。

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