こんにちは。大阪市の税理士、山本健介です。
今日は、「国際税務」とはなにか、について考えてみたいと思います。
1.国際税務とはなにか?
たとえばGoogleで「大阪 国際税務」と検索してみると、
・国際税務の仕事・求人
といった転職サイトや、
・国際税務に強い税理士一覧
といった税理士のまとめサイトが表示されます。
「国際」が付くと、なんとなく立派で難しそうな雰囲気になりますね。
この「国際」という言葉には、ひとつの国だけでなくいくつかの国にかかわる、という意味があります。
つまり、「国際」税務は
日本国内だけでは完結しない取引=日本と外国にまたがる取引
に係る税務です。
ただし、その法律はあくまで日本の税法ですので、国内税務と同じく、国際税務の扱う規定はすべて日本の国内税法において定められています。
(ただ、その取引の相手国政府と日本政府との取り決めによって、日本の規定が修正されることがあります。その取り決めのことを「租税条約」とよびます)
2.国際税務の種類
日本の国内税法のうち、国際取引に関係する規定や、その実務上の取扱いをまとめて「国際税務」とよびます。
では、その「国際取引に関係する規定」とは、たとえばどのようなものがあるでしょうか。
以下のように分類できます。
(全部説明しようとすると、もっっのすごく長くなるので、ここでは規定のタイトルだけにとどめておきます)
1.法人税にかかわる国際税務(法人の税務)
1)日本法人が親会社で外国子会社を保有するケース
①外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)
②外国子会社配当益金不算入制度
③外国税額控除
2)外国法人が親会社で日本子会社を保有するケース
①過小資本税制
②過大支払利子税制
2.所得税にかかわる国際税務(個人の税務)
1)日本人が外国に出向するケース
①源泉所得税の徴収の有無など
2)外国人が日本に出向してくるケース
①外国税額控除の適用の有無など
3.消費税にかかわる国際税務(主に法人の税務)
①取引の内外判定など
など色々あります。
上に挙げたのはあくまで例で、複数の領域にまたがる制度もあります。
例えば移転価格税制や、利子・配当・使用料(ロイヤリティ)などにかかる源泉所得税は、1.1)と2)のいずれでも関係します。
ご自身の取引がどのような規定に関係するかを知ったうえで、税理士の説明を聞くと、理解がすすむかもしれません。
今回は、国際税務とはなにか?について簡単にお伝えしました。
ただ、まだまだお伝えしたいことはたくさんあります。
国際税務とはなにか?について、今後も少しずつかみ砕いてご説明できたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。