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USCPAのライセンス取得 (2)ライセンス取得の流れ

前回、USCPA試験について、州ごとに出願やライセンス取得の要件がちがうことを書きました。

今回はそのライセンス取得の流れについて自分の経験をもとに書きたいと思います。

USCPAライセンス取得の流れ

平成29年12月にUSCPA試験を合格後、ワシントン州でライセンス取得の手続きを進めることにしました。

アビタスで行ったその手続きの流れは以下のとおりです。
・NIESに学歴評価依頼($120)
・Transcript発行依頼(1,080円)
・合格実績のトランスファー($25)
・AICPA倫理試験の購入と受験($135.2 – $251.37)
・ワシントン州倫理試験の取り寄せと受験(無料)
・アビタスライセンス取得サポート(10,800円)
・オンライン申請($330)

No.1からNo.6まではどの手続きから始めてもかまいません。以下順番にご説明します。

1.NIESに学歴評価依頼($120)

NIESとは、NASBA International Evaluation Servicesの略で、米国外の大学における学歴を評価してくれるNASBAの機関です。ちなみにNASBAはNational Association of State Boards of Accountancy(全米州政府会計委員会)の略で、州政府の会計委員会強化機関で、USCPAの推進役も担っているそうです(AICPA日本語サイトより)。

学歴評価ですので成績証明書や卒業証明書を英文で取得し、NASBAに郵送する必要がありますが、実はこのNIESへの学歴評価依頼は出願時に一度行っています(ちなみに出願時の費用は$225)。ですので今回はオンラインでの申請のみ。評価結果は1ヶ月ほどでワシントン州に届きます。

2.Transcript発行依頼(1,080円)

こちらはCSUEBで取得した単位をワシントン州に送ってもらうためにする、アビタスへの発行依頼です。アビタスの各校いずれかの窓口にA4一枚の簡単な書類を提出して現金を支払えば完了です。依頼の翌月末にCSUEBからワシントン州にTranscriptが届きます。

私は今回、この手続きでバタバタしてしまいまして。。

平成27年にアビタスへ受講を申し込んだとき、CSUEBで不足分の会計20単位を取得するための試験の受験チケット代金として4万円(8科目分、科目により2.67単位または3単位)支払いました。本来1科目3万円のものらしいのですが受講申込み時の割引きで5,000円/科目でした。

不足分の8科目というのは、アラスカ州出願要件を満たすための5科目、加えてワシントン州のライセンス取得要件を満たすための3科目だったのですが。。

当時の私は一度USCPA試験のやる気をなくして勉強からはなれた時期があり、ライセンス取得のこともどうでもよくなっていたので、出願のための5科目13単位だけ取得して残りの3科目8単位は未取得でした。

合格後に「やっぱりライセンスを取得しよう!」と思い直して手続きを進め、年明け1月4日にTranscript発行依頼をし、倫理試験なども終えた1月27日(土)、残りの3科目が未取得であることを思い出しました。

Transcriptは発行依頼月までの取得単位が翌月末にワシントン州に送られるので、1月31日(水)までに3科目を受験し終えなければなりません。

急いで3科目の受験予約をし、28日(日)に3科目とも合格して事なきを得ました。

ちなみにこの3科目を受けるために追加で支払った費用が4.5万円ほど。受講申込み時のチケットは2年で有効期限が切れていたため買い直す必要があり、ただし有効期限切れチケットの再購入割引きで50%offのため1科目あたり約15,000円でした。割引きされても高い。。

3.合格実績のトランスファー($25)

こちらはそれほど難しくなく、NASBAのホームページからオンラインで手続き完了できます。

4.AICPA倫理試験の購入と受験($135.2 – $251.37)

AICPA storeで”Professional ethics: The AICPA’s Comprehensive Course”を購入し、学習した上で付属のExamを受験して90%以上正解すれば合格となり、Certificateをダウンロードできます。そのCertificateが後述の「7.オンライン申請」時に必要になります。

費用の金額に幅があるのは、購入方法がいくつかあるからです。

教材を紙の書籍で購入して学習する場合、教材代$189と送料$62.37で合計$251.37かかります。一方で、オンラインの教材を購入する場合は通常$169、私が購入したときは12月下旬だったのですが偶然にもNew Year Holiday’s Sale期間中であり、20%offの$135.2で買うことができました。

試験について、問題数は45問で合格するには正答率90%以上が必要と聞くとなかなか厳しく思えますが、試験問題は教材に載っていますので受験前に確認することができます。一度教材を購入すると3回試験を受けることができますので、講義動画を見たり教材を読んだりしながら事前にすべて解答した上で、オンライン受験をしました。

一度で合格することができましたが、USCPA試験合格後にまた試験を受けなければならないというのは、精神的につらかったですね。。合格後はもう完全に気が抜けていましたから(笑)

5.ワシントン州倫理試験の取り寄せと受験(無料)

ワシントン州会計士委員会にメールを送って受験に必要なIDとパスワードを依頼します。1週間以内の返信となっているようですが、私の場合は2営業日以内くらいにIDとパスワードを通知する返信がありました。

試験問題は30問で、AICPA倫理試験と同じく正答率90%以上で合格ですが、こちらは事前に問題を確認することができません。そのためワシントン州会計士委員会が公開しているマニュアル(Washington State Ethics & Regulations for CPA ApplicantsWASHINGTON STATE ETHICS AND REGULATION FOR NEW CPAS)にざっくり目を通した上で、試験中もそのマニュアルを読みながら回答していきました。ちなみに試験の制限時間はたしか8時間くらいでしたので、時間を気にする必要はありませんでした。

問題はほとんどがTrue or Falseの2択なのですが、AICPA倫理試験よりも問題が難しく、1時間30分くらいかけて解きましたが初回は26/30で不合格でした。問題を振り返ることはできませんので、どの問題が正解だったか、または不正解だったのかを知ることはできません。

そして不合格になるとワシントン州会計士委員会にもう一度メールを送って再受験できるように設定してもらう必要があるため、また2営業日くらい待つ必要がありました。2回目も1時間30分くらいかかりましたが、27/30でなんとか合格することができました。合格するとCertificateを開くことができるので、ダウンロードして保存しておきます。

6.アビタスライセンス取得サポート(10,800円)

おそらくどの専門学校でも同様のサポートを行っていると思うのですが、私が受講したアビタスでも、職務経歴書などを送ってライセンス取得ができそうかどうかをチェックして頂いた上で、いくつか必要書類を送ったあと代表の電話面接を経て、提携のUSCPAの方から実務経験証明書のサインを頂く流れになっています。この手続きには1~2ヶ月かかるようで、現在この証明書の返送を待っている状況です。

職務経歴書や在職証明としての源泉徴収票を英文で用意する必要があるなど、ここでの書類準備もなかなか手間がかかりました。

7.オンライン申請($330)

上記のサイン入り実務経験証明書に加えて、職務経歴書、AICPA倫理試験のCertificateとワシントン州倫理試験のCertificateをワシントン州の専用オンラインシステムにアップロードして申請することになります。

そして申請から2週間ほどで、USCPAライセンスが発行されることになっています。

(2018年7月21日追記)

3月10日にWA Board of Accountancyにオンライン申請をして、本来であれば2週間ほどで登録されるはずだったのですが、私の場合、登録されたとメールで連絡が来たのが5月21日、Certificateが送付されて届いたのが6月6日でした。

WA Board of AccountancyのCustomer Serviceから学歴評価が届いていないよ、と連絡が来たのが3月14日。日本の大学から入手したものをPDFで添付して送ったところ、厳封した封筒で送付してもらわないといけないとのこと。

ここでアビタスに相談したところ、その厳封した封筒を送るべきなのはNIESなので、NIESにWA Board of Accountancyからのメールを転送して確認してはどうか、とのアドバイス。

そのため3月16日にNIESにメールで連絡をしたところ、なかなか返信が来ず、3度リマインドメールを送った結果、初めて返信が来たのが4月16日。

そして残念ながらその返信の内容は「所定のWebsiteから申請が必要です」というトンチンカンなもの。

再度説明のメールを送るもまたNIESから返信は来なくなり。。途方に暮れて、5月2日にアビタスに泣きつきました。

その後、アビタスからNIESに連絡をして頂き、5月21日に無事登録の連絡が来ました。

郵送中の紛失なのか、WAが受け取ったあとなくなったのか、そもそもNIESが送っていなかったのか。。書類がなくなった理由はアビタスの方もよくわからないとのことでした。

私は私で「自分の手続に不備があったのかな?」と不安でしたので、アビタスのおかげで登録が無事にできてよかったです。助かりました。

まとめ

以上がUSCPAライセンス取得の流れです。税理士の登録も書類が多く大変でしたが、このUSCPAのライセンス取得も大変でした。費用もかかりますし、倫理試験を2つも受けなければなりません。

ライセンスの取得まで考えているのであれば、USCPA試験合格後も気を緩めずに手続きを進めていってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の投稿者:

山本健介 1983年兵庫県加古川市生まれ。現在は大阪市城東区で税理士事務所を開業しています。税理士業界で10年以上、中小企業から上場企業まで会計・税務のお手伝いをしてきました。国際資格の専門校アビタス非常勤講師(USCPAコース担当)。米国公認会計士。お笑い好き。サッカー日本代表を応援しています。中国語勉強中。

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