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消費税のインボイス制度

こんにちは、大阪市城東区の税理士、山本健介です。

 

実は、ゆるいサッカーファンでして、日本代表やJリーグの試合がテレビでやってるときはよく見てます。

 

一昨日から、始まりましたね。Jリーグ。

 

その中でもガンバ大阪を、こちらもゆるく応援しているのですが、昨日アウェイで昨年王者、苦手にしている横浜F・マリノスに勝ってくれました。

 

昨日勝ったことで、横浜F・マリノスとの対戦成績は、通算17勝27敗13分になったそうです。敵地の日産スタジアムでの対戦成績は6勝16敗8分とのこと。

 

試合を見ていると結構、運や相手のミスもありましたが、チームとしても、横浜F・マリノスに勝つための戦術をしっかり準備していたようです。

 

横浜F・マリノス側としては、アジアチャンピオンズリーグの試合も併行してあるので、あまりガンバ大阪戦に向けて準備できなかったのではないかな、と思います。

 

チームとしては今年も横浜F・マリノスの方が強いと思いますが、準備の差が結果に出たのかな。やっぱり準備するって大事ですね。

 

準備、準備と繰り返してますが、準備が大事なのは税金も同じですね。

 

大切なのは、事前の予測と対策。

 

決算が過ぎてからでは、手が打てることは限られますので、なんでも早めにご相談頂けるとうれしいです。

 

ただ、今回ご紹介する消費税のインボイス制度

 

これはまだ、だいぶ先の話なんですよね。実施は令和5年10月1日からです。

 

ただし、その登録手続きは令和3年10月スタートで、それでもまだ1年6カ月ありますが、早めに知っておいて損はないので、ご紹介したいと思います。

 

適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)

令和5年10月1日から何が始まるのかというと、適格請求書発行事業者が発行した、適格請求書がなければ、仕入税額控除ができなくなります(ただし、一定の例外はあります)。

 

この適格請求書発行事業者になるには、税務署に登録申請書を提出して審査を受ける必要があるのですが、消費税の課税事業者でないと適格請求書発行事業者になることができません。

 

つまり、令和5年9月30日までは、今まで通り免税事業者に対する支払いについても消費税の仕入税額控除ができるのですが、令和5年10月1日以降は、それがなくなります。

 

ちょっと難しくなってきたので、ケースを3つに分けて説明したいと思います。

 

仕入税額控除について

その前に、仕入税額控除とは何か?を簡単に説明します。

 

消費税を計算するときに、ある商品を今年1年間、合計で1,100万円(税込み)販売したとします。消費税10%ですので、商品の本体価格1,000万円と消費税100万円ですね。

 

その商品の仕入れには、合計で770万円(税込み)必要だったとします。本体価格700万円と消費税70万円ですね。

 

この100万円と70万円の消費税は、自分のものではなく、あくまでお客様から預かった100万円と、立替払いした70万円です。

 

そのため、差額30万円について、多く預かっているので、その30万円を税務署に申告・納付します。これが消費税の確定申告です。

 

このとき、30万円を計算するために、100万円から70万円を差し引きます。この差し引くことを「仕入税額控除」といいます。

 

これは極端な例ですが、商品の仕入先が適格請求書発行事業者でない場合、この70万円を差し引くことができない、つまり消費税の納付額は、30万円ではなく100万円になってしまうということです。

 

仕入税額控除できるのか、できないのかで消費税の納付額が大きく変わることがおわかり頂けると思います。

 

だから絶対、こちらが支払う側のとき、その支払先は適格請求書発行事業者の方がいいですよね?

 

同じことを、あなたの得意先も思っているはずです。

 

ではどうすればいいのか、ということをご自身の立場を3つに分けてご説明したいと思います。

 

ケース1 すでに消費税の課税事業者の場合

すでに消費税の課税事業者の場合、または令和5年には課税事業者になっている予定(つまり、令和3年の課税売上が1,000万円超になると見込まれるなど)の法人・個人事業者は、令和3年10月1日から令和5年3月31日までの間に、適格請求書発行事業者の登録を税務署に行ってください。

 

そうすれば、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者として適格請求書の発行を行うことができます。

 

このケースはそんなに、難しい判断ではないと思います。

 

ケース2 免税事業者で、自身のお客様が個人消費者の場合

消費税の免税事業者というのは、基本的に2年前(前々期)の売上が1,000万円以下のときに該当します。

 

このケースで、お客様が個人消費者の場合、つまり売上1,000万円以下の美容室や飲食店などが該当すると思いますが、これらの方々はわざわざ適格請求書発行事業者になる必要はないでしょう。

 

なぜなら得意先(お客様)が事業者ではないので、消費税の確定申告などしない、つまり仕入税額控除をすることもないからです。

 

令和5年10月1日以降も、免税事業者という制度がなくなるわけではありません。適格請求書発行事業者の登録をしなければ、免税事業者は免税事業者のままです。

 

つまり今後も、このケースに該当する方は、消費税の納税義務は免除された状態が継続することになります。

 

ケース3 免税事業者で、自身のお客様が事業者の場合

このケースが少しやっかいですよね。

 

といいますか、今回のインボイス制度は、このケースに該当する法人・個人事業者をターゲットにしているんですね。

 

たとえば、課税事業者Aは免税事業者Bから商品を購入して、110万円(税込み)支払いました。消費税は10万円です。

 

この10万円は、現在の法律では、支払った側のAにおいて仕入税額控除の対象となります。つまりAの消費税納付額を10万円減らします。

 

一方で、Bはこの10万円を税務署に納めますか?いえ、納めません。

 

なぜならBは免税事業者だからです。消費税の納税義務が免除されているからです。

 

税務署からみると、消費税の取りっぱぐれが起きているような状態ですね。

 

ですので、今回の税制改正で、免税事業者Bに選択をせまっているわけです。

 

適格請求書発行事業者になるために、課税事業者になるか

②適格請求書の発行をあきらめて、免税事業者を継続するか

 

現実的な問題として、②を選ぶことは難しいと思います。

 

②を選ぶと、得意先の消費税負担が増えるため、その負担軽減のために値下げを要求されると思います。もしかすると取引が打ち切られる可能性もあるかもしれません。

 

したがって、消費税免税のメリットは捨てて、①を選ぶことになるのではないかと思います。

 

このケースに該当するのは、建設業などで売上が1,000万円以下の一人親方等だと思います。

 

これらの方々は、①を選ぶ場合には、令和3年10月1日から令和5年3月31日までの間に、適格請求書発行事業者の登録を税務署に行う必要があります。

 

まとめ

以上、令和5年10月1日から実施される消費税のインボイス制度について解説しました。

 

ケース3に該当する方の中には、令和3年の売上が1,000万円以下であっても、令和5年には①を選択して課税事業者になる方も多いと思います。

 

結局、令和5年には課税事業者になるのであれば、令和3年の売上は1,000万円超を目指したいですね!もう、免税事業者を継続するメリットもないので。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の投稿者:

山本健介 1983年兵庫県加古川市生まれ。現在は大阪市城東区で税理士事務所を開業しています。税理士業界で10年以上、中小企業から上場企業まで会計・税務のお手伝いをしてきました。国際資格の専門校アビタス非常勤講師(USCPAコース担当)。米国公認会計士。お笑い好き。サッカー日本代表を応援しています。中国語勉強中。

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